問題番号 : 119C40

45歳の男性。労作時の息苦しさを主訴に来院した。3年前からカバンを持ったときに手を離しにくく,1年前からペットボトルのふたが開けにくいと感じるようになった。1か月前からわずかな労作でも息苦しさを感じるようになった。喫煙歴はない。意識は清明。身長168cm,体重48kg。体温36.5℃。脈拍68/分,整。血圧118/70mmHg。呼吸数16/分。SpO2 96%(room air)。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦,軟。下腿に浮腫を認めない。胸鎖乳突筋の萎縮を認める。徒手筋力テストで筋力の低下があり,両下肢遠位筋は萎縮し,四肢の腱反射は低下している。母指球のハンマー叩打でミオトニアを認める。動脈血ガス分析(room air):pH 7.36,PaCO2 47Torr,PaO2 79Torr,HCO3 26mEq/L。胸部エックス線写真に異常を認めない。
 下に示す呼吸機能検査でのflow-volume曲線(①~⑤)のうち,この患者で予想されるのはどれか。

正解
c
国試正答率
46%

Assessment
①労作時の息苦しさ ⇒ 心疾患? 呼吸器疾患? 呼吸筋の

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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