問題番号 : 119C39

98歳の女性。家族から呼吸が止まったと往診依頼があった。5年前に脳梗塞を発症し,3年前から寝たきりとなり,訪問診療を受けている。本人の意向で積極的な治療は行わずに在宅看取りの方針であった。1か月前からほとんど食事が摂れなくなり,体重が減少してきた。2週間前から傾眠状態となり,ここ数日は体を揺すっても反応がなかった。本日未明に依頼があり,早朝に往診した。家族によると4時間前に呼吸が止まったという。診察を行い,瞳孔散大,呼吸停止および心停止を確認した。背中にはわずかに死斑が出現し,顎関節には死後硬直が出現していた。身体に外傷はなく,るいそうと脱水所見を認めた。経過と死体所見から老衰による死亡と判断した。
 死亡診断書の直接死因欄に記載するのはどれか。

正解
a
国試正答率
97%

Assessment
①1か月前からほとんど食事が摂れなくなり,体重が減少。2

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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