73歳の男性。息切れの増強を主訴に来院した。喫煙は20歳から70歳まで20本/日であったが,3年前から息切れのため禁煙している。既往歴に特記すべきことはない。職業歴に工場や鉱山での勤務歴がある。意識は清明。身長162cm,体重52kg。体温36.4℃。脈拍76/分,整。血圧142/76mmHg。呼吸数20/分。SpO2(room air)は自立歩行で診察室入室直後は86%,安静座位で深呼吸後は89%。心音に異常を認めない。呼吸音は両側の背部でfine cracklesを聴取する。呼吸機能検査:%VC 88%,FEV1% 67%,%DLco 70%。鼻カニューラ2L/分酸素投与下での6分間歩行試験でSpO2は90%以上を維持していた。簡易睡眠無呼吸検査の結果,軽度の睡眠時無呼吸が明らかとなった。心エコー検査で中等度の肺高血圧を認める。胸部エックス線写真(A)と胸部単純CT(B)とを下に示す。胸部CTで明らかな肺癌の合併を認めない。
この患者に対する在宅酸素療法で期待される効果はどれか。