本問は,119B47~48の連問の一部です。
52歳の男性。全身倦怠感と発汗を主訴に来院した。
現病歴:2週間前から全身倦怠感を自覚し,2日前に職場の近くの診療所で血液検査を受けた。アルコール性肝障害と診断され,入院治療のため紹介受診した。今朝から発汗を自覚している。診察室に入室後は,手が震えて問診票にうまく記入できなかったことを気にしている。
既往歴:特記すべきことはない。
生活歴:職業は会社員。喫煙は昨年まで加熱式たばこを20本/日。飲酒は仕事帰りに居酒屋でビール中ジョッキ2~3杯/日,休日は自宅で350mLの缶チューハイを3~4本/日。最近はアルコール度数の高いものを選んで買っていた。休日に朝から飲酒していることを妻から注意されたことがある。2日前に診療所を受診した後からは禁酒している。
家族歴:特記すべきことはない。
現 症:意識は清明。身長172cm,体重73kg。体温36.8℃。脈拍108/分,整。血圧132/80mmHg。皮膚は軽度湿潤しているが皮疹などは認めない。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。甲状腺腫と頸部リンパ節とを触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦,軟で,波動を認めない。肝・脾を触知しない。
検査所見:尿所見:蛋白(-),糖(-),潜血(-)。血液所見:赤血球452万,Hb 14.5g/dL,白血球8,600,血小板20万,PT-INR 1.0(基準0.9~1.1)。血液生化学所見:総蛋白7.2g/dL,アルブミン4.6g/dL,IgG 1,210mg/dL(基準861~1,747),IgA 682mg/dL(基準93~393),IgM 96 mg/dL(基準33~183),総ビリルビン0.8mg/dL,AST 482U/L,ALT 416U/L,ALP 198U/L(基準38~113),γ-GT 682U/L(基準13~64),尿素窒素16mg/dL,クレアチニン0.8mg/dL,尿酸6.4mg/dL,血糖110mg/dL,TSH 2.0μU/mL(基準0.2~4.0),FT4 1.8ng/dL(基準0.8~2.2)。免疫血清学所見:HBs抗原陰性,HCV抗体陰性。腹部超音波検査で脂肪肝を認める。
この患者に認められるのはどれか。