問題番号 : 119B32

75歳の男性。下行結腸癌術後,肝転移のため在宅療養中である。3年前に下行結腸癌で手術を受けた。1年前に肝転移を診断されたが,薬物による抗癌治療は選択しなかった。1か月前から食欲不振が出現し,在宅で1日1,500mLの維持輸液が開始された。その後徐々にベッド上で過ごすことが多くなり,2週間前から両下腿の浮腫が増悪している。最近では喀痰が増えてきて,心配した妻から主治医が相談を受けた。妻と2人暮らしで,患者本人と妻は自宅での療養の継続と自宅での看取りを希望している。身長165cm,体重52kg。体温36.2℃。脈拍92/分,整。血圧90/60mmHg。呼吸数18/分。SpO2 96%(room air)。呼吸音は両側胸部で減弱しており,coarse cracklesと軽度のwheezesを聴取する。心窩部に径4cmの有痛性の腫瘤を触知する。両下腿に著明な浮腫を認める。
 まず行うのはどれか。

正解
b
国試正答率
95%

Assessment
①下行結腸癌術後,肝転移のため在宅療養中 ⇒ 進行癌で在

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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