56歳の女性。労作時の息切れを主訴に来院した。6か月前に右下肢に浮腫を自覚したがそのままにしていた。2か月前から両下肢に浮腫が出現し,1週間前から,労作時の息切れが増強したため受診した。意識は清明。体温36.7℃。脈拍80/分,整。血圧146/92mmHg。呼吸数30/分。SpO2 95%(room air)。座位で頸静脈の怒張を下顎付近まで認める。心音はⅠ音は正常,Ⅱ音肺動脈成分の亢進,胸骨左縁第3肋間にLevine 2/6の収縮期雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦,軟で,肋骨弓下に肝を2cm触知する。脾は触知しない。両下肢に圧痕性浮腫を認める。血液所見:赤血球504万,Hb 15.1g/dL,Ht 46%,血小板13万,PT-INR 1.2(基準0.9~1.1),Dダイマー10.3μg/mL(基準1.0以下)。血液生化学所見:アルブミン4.1g/dL,総ビリルビン1.9mg/dL,AST 31U/L,ALT 11U/L,尿素窒素10mg/dL,クレアチニン0.6mg/dL,BNP 98pg/mL(基準18.4以下)。CRP 1.0mg/dL。心電図(A)と胸部エックス線写真(B)とを下に示す。心エコー検査で,左室駆出率は68%,三尖弁閉鎖不全を認め,推定肺動脈収縮期圧は60mmHgであった。
診断のために行う検査はどれか。2つ選べ。