問題番号 : 119A65

救急外来で小児を診察した研修医から指導医への報告を以下に示す。
 研修医:「1歳の男児です。3日前から37℃台の発熱,咳嗽,鼻汁が出現し,夜中に咳嗽が増強したため来院しました。身長80.0cm,体重11kg。体温37.8℃。脈拍124/分,整。血圧88/56mmHg。呼吸数28/分。SpO2がroom airで95%です」
 指導医:「どんな感じの咳ですか」
 研修医:「オットセイが鳴くような咳です」
 指導医:「呼吸状態はどうですか」
 研修医:「胸骨上窩,鎖骨上窩に陥没呼吸がみられます」
 指導医:「胸部の聴診所見はどうですか」
 研修医:「吸気時に喘鳴を聴取します」
 指導医:「治療はどうしますか」
 これに続く研修医の返答で適切なのはどれか。

正解
c
国試正答率
76%

Assessment
①1歳の男児
②3日前から37℃台の発熱,咳嗽,鼻汁 ⇒

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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