問題番号 : 119A53

65歳の男性。全身倦怠感を主訴に来院した。2か月前の健康診断では腎機能障害の指摘はなかった。2週間前に細菌性肺炎のため,自宅近くの診療所で1週間の抗菌薬治療を受けた。肺炎は改善したが,3日前から全身倦怠感と尿量の減少を自覚している。身長170cm,体重62kg。体温36.5℃。脈拍72/分,整。血圧136/82mmHg。尿所見:蛋白(±),糖1+,潜血(-),沈渣に白血球10~19/HPF。β2-マイクログロブリン35,200μg/L(基準200以下)。血液所見:赤血球410万,Hb 13.2g/dL,Ht 38%,白血球9,200。血液生化学所見:総蛋白8.4g/dL,アルブミン4.2g/dL,尿素窒素36mg/dL,クレアチニン2.4mg/dL,血糖98mg/dL,HbA1c 5.2%(基準4.9~6.0)。免疫血清学所見:抗核抗体陰性,C3 96mg/dL(基準52~112),C4 30mg/dL(基準16~51),ASO 200単位(基準250以下),MPO-ANCA陰性,PR3-ANCA陰性。
 最も考えられる疾患はどれか。

正解
c
国試正答率
89%

Assessment
①65歳の男性。2か月前の健康診断で腎機能障害の指摘はな

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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