問題番号 : 119A52

63歳の男性。左腰背部痛を主訴に来院した。昨日,突然,左腰背部に痛みが出現した。痛みが改善しないため受診した。体温36.8℃。脈拍112/分,不整。血圧156/102mmHg。呼吸数16/分。心音と呼吸音とに異常を認めない。左肋骨脊柱角に叩打痛を認める。尿所見:蛋白2+,糖1+,潜血1+,沈渣に赤血球10~20/HPF,白血球1~4/HPF,細菌(-)。血液所見:赤血球522万,Hb 17.0g/dL,Ht 49%,白血球12,200,血小板15万,Dダイマー10μg/mL(基準1.0以下)。血液生化学所見:総蛋白7.3g/dL,アルブミン4.2g/dL,AST 76U/L,ALT 113U/L,LD 750U/L(基準124~222),ALP 132U/L(基準38~113),γ-GT 84U/L(基準13~64),尿素窒素13mg/dL,クレアチニン1.3mg/dL,尿酸7.2mg/dL,血糖139mg/dL,HbA1c 7.3%(基準4.9~6.0),総コレステロール238mg/dL,トリグリセリド183mg/dL,Na 135mEq/L,K 3.8mEq/L,Cl 99mEq/L。CRP 2.0 mg/dL。12誘導心電図で心房細動を認める。胸腹部造影CTの水平断像(A)と冠状断像(B)とを下に示す。
 この患者の病態の原因で考えられるのはどれか。

正解
d
国試正答率
97%

画像診断
上画像参照。
A:胸腹部造影CTの水平断像で左腎臓外側に楔状の非造影

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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