問題番号 : 119A48
53歳の男性。肺癌の手術のため入院中である。3日前に右上葉肺癌に対して右肺上葉切除術を行った。術後,胸腔ドレーンからの空気漏れは認めず,昨日,胸腔ドレーンを抜去した。本日,排便時にいきんだところ,呼吸困難が出現した。体温36.6℃。脈拍80/分,整。血圧128/76mmHg。呼吸数16/分。SpO2 94%(room air)。胸部エックス線写真を下に示す。 この患者でみられる身体所見はどれか。
画像診断:上画像参照。Assessment:
無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。