76歳の女性。息切れを主訴に救急車で搬入された。2日前から風邪気味で食欲が低下していた。夜間に座位で呼吸が苦しそうなところを家族が気付き,救急車を要請した。既往歴に高血圧症があり,降圧薬を服薬している。意識は清明。身長150cm,体重38kg。体温35.8℃。心拍数92/分,整。血圧164/92mmHg。呼吸数24/分。SpO2 95%(リザーバー付マスク10L/分 酸素投与下)。全身にるいそうを認める。眼瞼結膜に軽度の貧血を認める。頸静脈の怒張を認める。心音に異常は認めず,肺野背側下部にcoarse cracklesを聴取する。腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない。四肢に冷感を認める。下肢に軽度の浮腫を認める。血液所見:赤血球415万,Hb 9.8g/dL,Ht 40%,白血球9,200,血小板15万。血液生化学所見:アルブミン2.8g/dL,総ビリルビン1.1mg/dL,AST 26U/L,ALT 30U/L,CK 82U/L(基準41~153),尿素窒素18mg/dL,クレアチニン1.2mg/dL,血糖84mg/dL,HbA1c 6.2%(基準4.9~6.0),Na 132mEq/L,K 4.0mEq/L,BNP 422pg/mL(基準18.4以下)。CRP 2.4mg/dL。心電図でⅠ度房室ブロックを認める。胸部エックス線写真で心胸郭比56%,肺うっ血を認める。心エコー検査で,軽度の全周性の心肥大を認めるが,左室駆出率は65%と正常である。入院後,5日間で病状は落ち着いてきており,食事は摂取出来ている。体重36kg。脈拍60/分,整。血圧130/80mmHg。SpO2 97%(room air)である。
この患者に対する治療で適切なのはどれか。