問題番号 : 119A38

56歳の男性。吐血を主訴に夜間救急外来を受診した。夕食後から悪心が出現し,就寝前に暗赤色の吐血があり来院した。25年前に肝障害を指摘され,以後毎年の健康診断で指摘されているが,受診していなかった。喫煙歴はない。飲酒は日本酒4合/日を30年間。意識は清明。体温36.0℃。脈拍112/分,整。血圧80/50mmHg。眼瞼結膜に貧血を認める。眼球結膜に黄染を認めない。口腔内は乾燥している。頸部リンパ節を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦,軟。左肋骨弓下に脾を2cm触知する。腸雑音に異常を認めない。血液所見:赤血球274万,Hb 7.8g/dL,Ht 28%,白血球9,200,血小板7.2万。緊急上部消化管内視鏡の食道像を下に示す。
 適切な治療はどれか。

正解
d
国試正答率
84%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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