問題番号 : 119A34

65歳の男性。血痰を主訴に来院した。2年前から労作時の息苦しさと咳嗽とを自覚していたがそのままにしていた。数日前から痰に少量の血液が混じるようになったため受診した。喫煙は20本/日を45年間。意識は清明。身長172cm,体重43kg。体温37.2℃。脈拍96/分,整。血圧124/68mmHg。呼吸数20/分。SpO2 93%(room air)。心音に異常を認めず,呼吸音は右胸部にcoarse cracklesを聴取する。血液所見:赤血球468万,Hb 12.2g/dL,Ht 37%,白血球12,300(桿状核好中球10%,分葉核好中球64%,好酸球1%,好塩基球1%,単球6%,リンパ球18%),血小板34万。免疫血清学所見:CRP 3.2mg/dL,β-D-グルカン35pg/mL(基準10以下)。喀痰の抗酸菌塗抹検査は陰性。Sabouraud寒天培地では糸状菌が検出された。胸部単純CTを下に示す。
 診断はどれか。

正解
b
国試正答率
92%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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