問題番号 : 119A31

80歳の男性。胸痛を主訴に救急車で搬入された。2週間前から階段昇降で胸部絞扼感が出現していたが,3分程度の安静で改善していた。1週間前からは平地歩行でも階段昇降と同じ強度の胸部絞扼感が出現するようになった。本日は朝食後に冷汗を伴う強い胸痛を自覚し,自宅近くの診療所を受診した。12誘導心電図でST低下を指摘され,当院に救急車で搬入された。胸部症状は持続しており,12誘導心電図でST低下が持続している。糖尿病,高血圧および脂質異常症でかかりつけ医に通院中である。喫煙は20本/日を50年間。身長162cm,体重60kg。心拍数76/分,整。血圧140/60mmHg。血液所見:赤血球465万,Hb 13.3g/dL,Ht 42%,白血球9,600,血小板23万。血液生化学所見:CK 300U/L(基準59~248),クレアチニン0.8mg/dL,空腹時血糖141mg/dL,HbA1c 7.4%(基準4.9~6.0),トリグリセリド145mg/dL,LDLコレステロール141mg/dL。心筋トロポニンT迅速検査陽性。
 この患者に対する検査で適切なのはどれか。

正解
d
国試正答率
78%

Assessment
①80歳の男性 ⇒ 高齢の男性
②胸痛を主訴に搬入 ⇒

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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