問題番号 : 119A29

生後18時間の男児。呼吸心拍モニターのアラームが鳴ったため,診察している。在胎31週,体重1,600g,Apgarスコア7点(1分),9点(5分)で出生した。早産と低出生体重児のためNICUに入院した。生後18時間ごろに呼吸心拍モニターのアラームが1~2分鳴ったが自然に改善した。診察中,呼吸心拍モニターのアラームは鳴っていない。体温37.0℃。心拍数140/分,整。血圧70/40mmHg。呼吸数50/分。SpO2 98%(room air)。皮膚は赤く,チアノーゼは認めない。大泉門は開大している。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない。アラームが鳴っていた時の心拍数,SpO2および胸郭の動きを記録した呼吸心拍モニター画面を下に示す。
 最も考えられる疾患はどれか。

正解
d
国試正答率
96%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

無料会員登録して、解説をすべて見る