問題番号 : 119A28

70歳の男性。発熱と喀痰を主訴に来院した。7日前に発熱が出現し,自宅近くの診療所を受診したところインフルエンザと診断された。治療によって一旦は解熱したが,昨日から再び発熱したため受診した。既往歴に糖尿病がある。意識は清明。体温38.9℃。脈拍120/分,整。血圧90/62mmHg。呼吸数28/分。SpO2 92%(room air)。呼吸音は胸部全体でcoarse cracklesを聴取する。血液所見:赤血球466万,Hb 13.9g/dL,Ht 47%,白血球19,300(桿状核好中球5%,分葉核好中球83%,好酸球1%,好塩基球0%,単球1%,リンパ球10%),血小板26万。血液生化学所見:血糖180mg/dL,HbA1c 8.2%(基準4.9~6.0)。CRP 15mg/dL。胸部単純CT(A)と喀痰Gram染色標本(B)を下に示す。血液培養検査でも同じ微生物が検出された。
 原因微生物はどれか。

正解
e
国試正答率
97%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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