問題番号 : 119A23

9か月の女児。けいれんを主訴に両親に連れられて来院した。生後5か月で腹部に皮疹があることに母親が気付いていた。2週間前から両上肢を伸展挙上し,頭部を前屈する動作が出現した。約5秒間隔で10回以上反復し,次第に頻度が増加して毎日みられるようになった。同時期からあやし笑いが乏しくなり,ひとり座りが不安定になった。身長70.5cm,体重8.2kg。体温36.3℃。脈拍108/分,整。血圧82/48mmHg。呼吸数32/分。SpO2 99%(room air)。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない。体幹と大腿部に皮疹を3個認める。頭部単純MRIのT2強調水平断像(A)と大腿部の皮疹の写真(B)とを下に示す。
 最も考えられる疾患はどれか。

正解
b
国試正答率
95%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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