問題番号 : 118F54

84歳の女性。息苦しさと発熱とを主訴に家族から往診の依頼があった。5年前に脳梗塞を発症し要介護2と認定され訪問介護とデイサービスとを利用している。1日のほとんどを自宅内で過ごしており,排泄,入浴および着替えには一部介助が必要である。最近,食事中にむせることが多くなった。体温38.6℃。脈拍104/分,整。血圧88/54mmHg。呼吸数22/分。SpO2 89%(room air)。口腔内と皮膚は乾燥し,呼吸音は右前胸部にcoarse cracklesを聴取する。
 適切な対応はどれか。

正解
c
国試正答率
78%

Assessment
①5年前に脳梗塞を発症した要介護2の84歳の女性,息苦し

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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