日齢3の男児。頭部の腫瘤を主訴に新生児搬送された。在胎39週,3,120gで頭位自然分娩で出生した。仮死はなかった。出生直後から頭部の腫瘤を認めていた。腫瘤が増大し,黄疸と貧血とが出現して次第に増悪したため転院した。意識は清明。身長51.0cm,体重3,080g。体温37.0℃。心拍数140/分,整。血圧86/56mmHg。呼吸数32/分。SpO2 98%(room air)。活気不良。顔色不良。両側の頭頂側頭部に径5cmの軟らかい腫瘤を触知する。大泉門の膨隆を認めない。眼瞼結膜に貧血を認める。眼球結膜に軽度の黄染を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球233万,Hb 8.2g/dL,Ht 23%,白血球14,400,血小板28万,出血時間正常,PT-INR 1.0(基準0.9~1.1),APTT 90秒(基準対照32.2秒),フィブリノゲン322mg/dL(基準130~380)。血液生化学所見:総ビリルビン16.2mg/dL,直接ビリルビン0.1mg/dL,AST 45U/L,ALT 12U/L,LD 430U/L(基準198~404)。児は第2子であり,3歳の姉がいる。両親は血族婚ではない。両親にはそれぞれ弟が1名いる。
この患者と同じ疾患を持つ可能性が最も高いのはだれか。