問題番号 : 118F37

4歳の女児。喘鳴を主訴に母親に連れられて来院した。夕方から咳嗽と軽い喘鳴とが出現し,夕食は少量のみ摂取した。就寝前から咳嗽および喘鳴が増悪し,眠ることができなかった。これまで同様のエピソードを繰り返しているが,今回が最も苦しいという。意識は清明。身長100cm,体重18kg。体温36.4℃。脈拍140/分,整。血圧84/56mmHg。呼吸数48/分。SpO2 93%(room air)。活気不良。顔色不良。口唇チアノーゼは認めない。心音に異常を認めない。胸部聴診上,両側にwheezesを聴取する。腹部は平坦,軟。胸骨上窩と肋間腔とに陥没呼吸を認める。途切れるが会話は可能であった。胸部エックス線写真では肺の過膨張を認めた。
 この患者でみられるのはどれか。

正解
b
国試正答率
91%

Assessment
①4歳の女児
②夕方からの咳嗽・喘鳴 ⇒ 発作性の気道の

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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