問題番号 : 118E48

本問は,118E47~48の連問の一部です。

19歳の女性。呼吸困難を主訴に来院した。
現病歴:1週間前から上気道炎症状があった。3日前から喘鳴を伴う呼吸困難が出現したため救急外来を受診した。
既往歴:小児期に気管支喘息。
生活歴:喫煙歴はない。ペット飼育歴はない。常用薬はない。
家族歴:母親と弟は気管支喘息。
現 症:意識は清明。身長162cm,体重56kg。体温36.2℃。脈拍92/分,整。血圧100/80mmHg。呼吸数24/分。SpO2 96%(room air)。頸静脈の怒張を認めない。心音に異常を認めない。呼吸音は両側全肺野で呼気時にwheezesを聴取する。下腿浮腫は認めない。
検査所見:血液所見:赤血球468万,Hb 13.9g/dL,Ht 42%,白血球8,300(好中球55%,好酸球16%,単球6%,リンパ球23%),血小板22万。血液生化学所見:総ビリルビン0.8mg/dL,AST 20U/L,ALT 16U/L,LD 180U/L(基準124~222),尿素窒素14mg/dL,クレアチニン0.8mg/dL,Na 138mEq/L,K 4.0mEq/L,Cl 98mEq/L。胸部エックス線写真で異常を認めない。
救急外来で治療を行い,症状が安定したため帰宅となった。
翌日の外来受診時に処方すべき薬剤はどれか。

正解
e
国試正答率
99%

Assessment
①1週間前から上気道炎症状,3日前から喘鳴,呼吸困難 ⇒

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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