62歳の男性。動悸と呼吸困難を主訴に来院した。以前の健診で心雑音を指摘されたが,自覚症状がないのでそのままにしていた。3か月前から動悸があり,最近は徐々に持続時間が長くなっている。自分で脈を触れたところ脈のリズムは不整だったという。1週間前から就寝時に息苦しさがあり不眠である。3日前からは体動時の息苦しさも出現している。2日前の動悸発作は約1時間持続していた。身長168cm,体重67kg。体温36.0℃。脈拍68/分,整。血圧120/68mmHg。呼吸数14/分。SpO2 97%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音は心尖部を最強点とするLevine 3/6の汎収縮期雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。下腿浮腫を認めない。血液所見:赤血球411万,Hb 13.7g/dL,Ht 42%,白血球7,600,血小板24万。血液生化学所見:総蛋白6.9g/dL,AST 30U/L,ALT 22U/L,LD 201U/L(基準124~222),尿素窒素18mg/dL,クレアチニン0.9mg/dL,Na 136mEq/L,K 3.7mEq/L,Cl 110mEq/L,TSH 0.2μU/mL(基準0.2~4.0),FT4 1.0ng/dL(基準0.8~2.2),脳性ナトリウム利尿ペプチド〈BNP〉408pg/mL(基準18.4以下)。CRP 0.1mg/dL。非発作時の心電図(A),胸部エックス線写真(B),心エコー検査の傍胸骨長軸像(C)及び心尖部四腔断層像(D)を示す。
この患者の病態で考えられるのはどれか。2つ選べ。