問題番号 : 118D62

67歳の女性。発熱と腹痛を主訴に転院した。4週間前から重症急性膵炎の診断で自宅近くの病院に入院していた。絶食,大量輸液および蛋白分解酵素阻害薬の治療により改善したが,5日前から発熱と腹痛が出現し,抗菌薬投与で改善しないため転院した。意識は清明。体温37.6℃。心拍数84/分,整。血圧128/80mmHg。呼吸数18/分。SpO2 98%(room air)。心窩部に圧痛を認めるが反跳痛や筋性防御を認めない。血液所見:赤血球430万,Hb 11.9g/dL,Ht 35%,白血球11,100,血小板25万。血液生化学所見:アルブミン2.9g/dL,AST 27U/L,ALT 17U/L,LD 220U/L(基準124~222),アミラーゼ58U/L(基準44~132),尿素窒素10mg/dL,クレアチニン0.5mg/dL。CRP 17mg/dL。腹部造影CTを示す。
 診断はどれか。

正解
d
国試正答率
87%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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