問題番号 : 118D53

55歳の男性。労作時の息切れを主訴に来院した。6か月前に霧視を訴えぶどう膜炎の診断で治療を受けている。1か月前から階段昇降時に息切れを自覚したため受診した。意識は清明。体温36.5℃。脈拍40/分,整。血圧112/74mmHg。呼吸数16/分。SpO2 97%(room air)。心音でⅢ音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。神経診察に異常を認めない。血液所見:赤血球423万,Hb. 13.1g/dL,Ht 42%,白血球5,800,血小板18万。血液生化学所見:総蛋白6.7g/dL,AST 25U/L,ALT 20U/L,尿素窒素24mg/dL,クレアチニン1.2mg/dL,血糖92mg/dL,脳性ナトリウム利尿ペプチド〈BNP〉470pg/mL(基準18.4以下)。CRP 0.1mg/dL。12誘導心電図は心拍数42/分の完全房室ブロックを認める。心エコー検査で左室拡張末期径60mm,左室駆出率38%,左室壁厚は中隔,後壁とも8mmで左室中隔基部の菲薄化を認めた。心筋生検組織のH-E染色標本を示す。
 診断はどれか。

正解
e
国試正答率
99%

画像診断
上画像参照。
弱拡大像:乾酪壊死を伴わない不整形の類上皮細胞が認めら

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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