問題番号 : 118B44

本問は,118B43~44の連問の一部です。

70歳の男性。自転車で転倒したため救急車で搬入された。
現病歴:自転車で走行中に転倒し,右側頭部を打撲した。ヘルメットは装着していなかった。通行人が119番に通報し,救急車を要請した。救急隊接触時の意識レベルはGCS 14(E3V5M6)であった。
既往歴:58歳から高血圧症で降圧薬を服用中である。
生活歴:喫煙歴はなく,飲酒は機会飲酒。妻と2人暮らし。
家族歴:父親は80歳時に急性心筋梗塞で死亡。母親は95歳で生来健康。
現 症:受傷30分後,搬入時の意識レベルはGCS 8(E2V2M4)。身長163cm,体重60kg。体温36.7℃。心拍数80/分,整。血圧148/92mmHg。呼吸数22/分。SpO2 93%(リザーバー付マスク10L/分 酸素投与下)。心音に異常を認めない。呼吸音に左右差を認めないが,舌根が沈下し,いびき様の呼吸をしている。瞳孔は右4mm,左3mm,対光反射は右側で遅延している。右側頭部と右手背部に擦過傷を認める。外見上,他に目立った外傷は認めないが,左不全片麻痺を認める。
検査所見:迅速簡易超音波検査〈FAST〉では異常を認めない。
処置後に撮影した頭部単純CTを示す。
 診断はどれか。

正解
d
国試正答率
96%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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