問題番号 : 118A74

36歳の男性。咽頭痛を主訴に来院した。14日前から39~40℃の発熱と咽頭痛があり,7日前に自宅近くの医療機関を受診した。インフルエンザウイルス迅速抗原検査と新型コロナウイルス〈SARS-CoV-2〉抗原定性検査は陰性であり,抗菌薬の内服を開始したが,症状が改善しないため再度受診した。体温38.3℃。脈拍104/分,整。血圧124/82mmHg。呼吸数18/分。咽頭発赤と扁桃白苔を認める。両側後頸部に径2cmのリンパ節を2個,径1cmのリンパ節を3個触知する。右肋骨弓下に肝を2cm,左肋骨弓下に脾を1cm触知する。血液所見:赤血球502万,Hb 14.9g/dL,Ht 43%,白血球14,000(桿状核好中球3%,分葉核好中球20%,単球3%,リンパ球57%,異型リンパ球17%),血小板21万。血液生化学所見:総蛋白7.5g/dL,アルブミン4.2g/dL,総ビリルビン0.9mg/dL,AST 280U/L,ALT 320U/L,LD 477U/L(基準124~222),尿素窒素12mg/dL,クレアチニン0.6mg/dL。CRP 8.3mg/dL。
 考えられる原因はどれか。3つ選べ

正解
b, d, e
国試正答率
62%

Assessment
Step1 36歳の男性,咽頭痛

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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