問題番号 : 118A51

50歳の女性。動悸を主訴に救急車で搬入された。数か月前から週に1回程度の動悸を自覚していたが,すぐに治まるので気にしていなかった。午後8時,会食中に突然,動悸と呼吸困難が出現したため家族が救急車を要請した。既往歴と家族歴に特記すべきことはない。意識は清明。身長160cm,体重54kg。体温36.6℃。心拍数136/分,整。血圧126/90 mmHg。呼吸数36/分。SpO2 98%(room air)。頸部に雑音を聴取せず,頸静脈の怒張を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。12誘導心電図を示す。心電図モニターをつけ,左前腕に静脈路を確保した。息こらえを30秒行ったが,頻脈は改善しない。気管支喘息の既往がないことを再確認しアデノシン三リン酸を投与することとした。投与後に一過性の胸内苦悶が起こることを患者に説明した。
 投与方法で適切なのはどれか。

正解
d
国試正答率
84%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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