問題番号 : 118A42

56歳の女性。けいれんを主訴に救急車で搬入された。約1か月前から頭痛を自覚していたが,市販の鎮痛薬を内服して様子をみていた。自宅で初めて全身けいれんを起こし家族が救急車を要請した。意識レベルはJCSⅡ-10。体温36.7℃。心拍数96/分,整。血圧136/86mmHg。呼吸数16/分。SpO2 98%(鼻カニューラ2L/分 酸素投与下)。瞳孔径は両側3mm,対光反射は迅速である。全身けいれんは数分間で消失した後に右半身の不全麻痺を認める。頭部単純CT冠状断像(A)と頭部造影MRIのT1強調水平断像(B)を示す。
 考えられるのはどれか。

正解
b
国試正答率
99%

Assessment
Step1 56歳の女性 約1か月前からの頭

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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