本問は,117F71~73の連問の一部です。
27歳の女性。胸痛と呼吸困難を主訴に来院した。
現病歴:昨日から右前胸部痛を自覚した。息を吸うと痛みが悪化するため,深呼吸ができなかった。本日は胸痛の悪化に加え,労作時の呼吸困難も出現したため救急外来を受診した。
既往歴:3か月前から経口避妊薬を内服している。
生活歴:パートナーと2人暮らし。事務職。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。
家族歴:母方の祖父が癌(詳細不明)。母が糖尿病と高血圧症。
現 症:意識は清明。身長163cm,体重60kg。体温38.0℃。脈拍120/分,整。血圧112/64mmHg。呼吸数32/分。SpO2 88%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。頸静脈の怒張を認める。心音はⅡ音の亢進を認める。呼吸音はcracklesやwheezesはなく,胸膜摩擦音も聴取しないが,深呼吸ができていない。右下腿に浮腫を認める。
検査所見:血液所見:赤血球430万,Hb 13.1g/dL,Ht 38%,白血球10,100(桿状核好中球30%,分葉核好中球45%,好酸球1%,好塩基球1%,単球6%,リンパ球17%),血小板23万。血液生化学所見:総ビリルビン0.9mg/dL,AST 25U/L,ALT 12U/L,LD 315U/L(基準120~245)。動脈血ガス分析(room air):pH 7.48,PaCO2 26Torr,PaO2 52Torr,HCO3- 19.0mEq/L。心電図は洞性頻脈,Ⅰ誘導で深いS波,Ⅲ誘導でQ波とT波の陰転化を認める。
胸部造影CTを示す。
最も適切な治療薬はどれか。