問題番号 : 117D56

46歳の女性。血痰を主訴に来院した。約2年前から咳嗽と喀痰を自覚していた。徐々に喀痰が増え,2日前から血痰が出現したため受診した。身長160cm,体重44kg。体温37.0℃。脈拍80/分,整。血圧124/72mmHg。呼吸数20/分。SpO2 98%(room air)。右前胸部にrhonchiを聴取する。喀痰検査でZiehl-Neelsen染色が陽性であったが,結核菌PCR検査は陰性であった。血液検査で抗MAC〈Mycobacterium avium complex〉抗体が陽性であった。胸部単純CTを示す。
 この患者で正しいのはどれか。

正解
a
国試正答率
66%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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