問題番号 : 117D30
28歳の男性。発熱と咳嗽を主訴に来院した。3日前から咳嗽があり,2日前から39℃の悪寒戦慄を伴う発熱が出現し,改善しないため受診した。既往歴に特記すべきことはない。喫煙歴はない。周りで同様の症状の人はいない。意識は清明。体温38.9℃。脈拍120/分,整。血圧120/70mmHg。呼吸数24/分。SpO2 97%(room air)。右下肺野にcoarse cracklesを聴取する。胸部エックス線写真(A)と喀痰のGram染色標本(B)とを示す。 最も考えられるのはどれか。
画像診断:上画像参照。Assessment:
無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。