問題番号 : 117D28

10歳の男児。顔色不良を心配した母親に連れられて来院した。1か月前から歩くときに息があがるようになり,最近顔色が悪いため受診した。生後7日目に腸回転異常症に対する開腹手術を受けた既往がある。手術では壊死した腸管を切除し,十二指腸球部から40cmの空腸と上行結腸を吻合した。1歳時は在宅静脈栄養を行いながら外来で経過観察していたが,2歳時には静脈栄養から離脱した。現在は家族と同じ食事を摂取している。身長121cm(-1.8SD),体重19kg(-1.7SD)。体温36.5℃。脈拍72/分,整。血圧106/50mmHg。呼吸数15/分,SpO2 99%(room air)。心音と呼吸音とに異常を認めない。血液所見:赤血球148万,Hb 6.0g/dL,Ht 17%,MCV 111 fL,MCH 40.6 pg,MCHC 36.5%,白血球5,600(好中球51%,リンパ球46%,単球1%,好酸球2%),血小板21万,出血時間3分(基準7分以下),PT-INR 1.0(基準0.9~1.1),APTT 30秒(基準対照32.2)。血液生化学所見:蛋白5.6g/dL,アルブミン3.5g/dL,総ビリルビン1.0mg/dL,直接ビリルビン0.1mg/dL,AST 35U/L,ALT 32U/L,尿素窒素4.1mg/dL,クレアチニン0.2mg/dL,Na 138mEq/L,K 3.7mEq/L,Cl 107mEq/L。CRP 0.2mg/dL。
 補うべきビタミンはどれか。

正解
d
国試正答率
98%

Assessment
①顔色不良,1か月前から歩くとき息があがる⇒呼吸器疾患,

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

無料会員登録して、解説をすべて見る