問題番号 : 117C36

35歳の男性。仕事中に,作業で使用していた液体の化学物質を全身に浴び,事故から2時間後に来院した。2年前に入職し,配置転換で2週間前から現在の作業を始めたばかりだった。作業内容や使用していた化学物質の詳細については詳しくない。化学物質を浴びた後,すぐに緊急用のシャワーを浴び洗眼したという。意識は清明。身長171cm,体重65kg。体温36.8℃。脈拍72/分,整。血圧136/82mmHg。呼吸数17/分。眼瞼結膜,眼球結膜に充血を認める。顔面の皮膚に発赤を認める。
 この患者の治療方針を決定するため,患者の勤務先に照会するものとして有用でないのはどれか。なお,患者の同意は得ているものとする。

正解
a
国試正答率
84%

Assessment
①35歳の男性⇒中年の男性
②仕事中に,作業で使用してい

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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