22歳の男性。発熱と呼吸困難を主訴に救急車で搬入された。幼少時に心室中隔欠損症と診断されたが手術療法は選択されなかった。以後,総合病院に年1回通院している。2か月前に咳嗽を伴う38℃の発熱が出現した。自宅近くの診療所を受診し,セフェム系抗菌薬を処方され,3日後に解熱した。3週間前から再度,悪寒を伴う37.8℃の発熱を認め,抗菌薬を内服したが,微熱,全身倦怠感は持続した。昨夜から,39℃台の発熱と咳嗽の悪化があり,呼吸困難で寝ることができなくなったため救急車を要請した。意識は清明。身長170cm,体重62kg。体温39.5℃。心拍数124/分,整。血圧130/80mmHg。呼吸数28/分。SpO2 96%(リザーバー付マスク10L/分 酸素投与下)。胸骨左縁第3肋間にLevine 2/6の全収縮期雑音を聴取する。血液所見:Hb 9.2g/dL,白血球11,300(桿状核好中球60%,分葉核好中球24%,好酸球0%,好塩基球1%,リンパ球15%),血小板6.3万。CRP 12.2mg/dL。胸部エックス線写真で両側性にびまん性の浸潤影を認めた。カラードプラ心エコー図で心室中隔欠損部の近傍に腫瘤性の病変(矢印)を認めた。
最も考えられる診断はどれか。