問題番号 : 117A40

41歳の女性。声が出しにくいことを主訴に来院した。半年前から水分摂取時にむせることがあり,2週間前から嗄声が出現し,自宅近くの医療機関で右前頸部腫脹を指摘され精査のため受診した。既往歴と家族歴に特記すべきことはない。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。甲状腺右葉に硬い腫瘤を触知する。右側頸部に径1cmのリンパ節を2つ触知する。血液所見:赤血球404万,Hb 11.6g/dL,Ht 36%,白血球4,800,血小板26万。血液生化学所見:TSH 0.8μU/mL(基準0.2~4.0),FT3 3.1pg/mL(基準2.3~4.3),FT4 1.2ng/dL(基準0.8~2.2),サイログロブリン141ng/mL(基準5~30)。免疫血清学所見:抗サイログロブリン〈TG〉抗体11.3U/mL(基準0.3以下),抗甲状腺ペルオキシダーゼ〈TPO〉抗体<0.3U/mL(基準0.3以下)。甲状腺超音波像(A)と頭頸部造影CT(B)(C)を示す。胸部単純CTで肺野に異常を認めない。甲状腺腫瘤の穿刺吸引細胞診で核溝と核内細胞質封入体を有する異型細胞を認める。
 まず行う治療として適切なのはどれか。

正解
a
国試正答率
85%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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