問題番号 : 117A22
21歳の男性。胸郭の変形を主訴に来院した。3歳ごろから変形が目立ち,人前で着替えることを恥ずかしいと思っている。体温36.8℃。脈拍84/分,整。血圧120/68mmHg。呼吸数18/分。SpO2 98%(room air)。胸骨陥凹があり呼吸性に変動しない。皮膚の発赤,腫脹および熱感はない。胸部に圧痛を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。胸部単純CTを示す。 考えられる疾患はどれか。
画像診断:上画像参照。Assessment:
無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。