問題番号 : 117A20

62歳の男性。心窩部痛と食思不振を主訴に来院した。半年前から心窩部痛を感じることがあったが,仕事が忙しいため様子をみていた。心窩部痛が持続し,2週間前から食思不振が出現したため受診した。既往歴に特記すべきことはない。喫煙歴はない。飲酒は焼酎1合/日を40年間。父が胃癌で70歳時に手術。身長170cm,体重52kg(半年間で8kg減少)。体温36.8℃。脈拍80/分,整。血圧128/72mmHg。眼瞼結膜に軽度の貧血を認める。眼球結膜に黄染を認めない。左鎖骨上窩に径2cmのリンパ節を触知する。上腹部に径5cmの腫瘤があり,圧痛を認める。腸雑音に異常を認めない。直腸指診で直腸膀胱窩に硬結を触知する。尿所見:蛋白(-),糖(-),ケトン体1+。血液所見:赤血球368万,Hb 8.9g/dL,Ht 32%,白血球9,300,血小板21万。血液生化学所見:総蛋白6.5g/dL,アルブミン3.1g/dL,総ビリルビン1.9mg/dL,直接ビリルビン1.2mg/dL,AST 128U/L,ALT 116U/L,LD 277U/L(基準120~245),ALP 283U/L(基準38~113),γ-GT 132U/L(基準8~50),尿素窒素12mg/dL,クレアチニン1.6mg/dL,血糖98mg/dL,CEA 38ng/mL(基準5以下),CA19-9 98U/mL(基準37以下)。CRP 3.0mg/dL。上部消化管内視鏡検査で進行胃癌を認めた。頸部・胸腹部・骨盤部造影CTで,多発肝転移,リンパ節転移,腹膜播種が確認された。患者に検査結果を伝え,薬物による抗癌治療が標準治療であることを説明したところ,「薬ではなく手術で癌を取り除いてもらいたいと思う。家族と相談してきたいのですが」と申し出た。
 対応として適切でないのはどれか。

正解
a
国試正答率
99%

Assessment
①62歳の男性
②心窩部痛
③進行胃癌,多発肝転移,リン

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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