問題番号 : 116F44

85歳の男性。3週間前に肺炎のため入院した。2年前に進行肺癌と診断されたが癌の治療は受けていない。入院後は本人および妻と十分に相談のうえ,抗菌薬治療と1日500mLの輸液のみを行っている。今朝は①呼びかけても答えない意識レベルとなり②水分を嚥下できず③下顎呼吸を認める④四肢に浮腫を認める⑤昨日は排便がなかった。高齢の妻は自宅におり,死亡時には立ち合いたいと希望している。
 下線のうち24時間以内の死亡が最も予想される所見はどれか。

正解
c
国試正答率
96%

Assessment
①85歳の男性
②肺炎のため入院した。
③進行肺癌と診断

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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