問題番号 : 116D42

48歳の女性。両下肢筋力低下を主訴に来院した。1年前に右眼視力低下があり,眼科で加療されて症状は改善した。3日前から両下肢の脱力感としびれ感を自覚していた。これらの症状が徐々に悪化し,本日起床時に起き上がるのが困難となったため,夫が救急車を要請し入院した。意識は清明。血圧112/64mmHg。脈拍80/分,整。胸腹部に異常を認めない。神経診察では脳神経領域に異常を認めない。上肢には麻痺はなく,腱反射は正常である。下肢筋力は両側の近位筋,遠位筋ともに徒手筋力テストで2程度に低下している。下肢腱反射は亢進し,Babinski徴候は両側陽性である。胸骨下縁から下で温痛覚の低下がみられる。血液所見,血液生化学所見に異常を認めない。脳脊髄液所見は細胞数69(多核球60,単核球9)/mm3(基準0~2),蛋白62mg/dL(基準15~45),糖62mg/dL。胸椎MRIのT2強調矢状断像(A)と病変部の水平断像(B)を下に示す。
 診断に有用なのはどれか。

正解
b
国試正答率
97%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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