問題番号 : 116B47

本問は,116B46~47の連問の一部です。

 20歳の男性。動悸と頭痛を主訴に来院した。
現病歴:17歳の時から時々動悸と頭痛を自覚していた。本日,知人の引っ越しを手伝うため家具を運ぼうとしたところ,動悸と激しい頭痛が生じ,内科を受診した。
既往歴:大学入学時の健康診断で血圧高値を指摘された。
生活歴:大学生。喫煙歴,飲酒歴はない。
家族歴:父が高血圧症で治療中。
現 症:意識は清明。身長172cm,体重55kg。体温36.3℃。脈拍132/分,整。血圧192/110 mmHg。呼吸数24/分。著明な発汗を認める。顔面は紅潮している。四肢に冷感を認める。胸腹部に異常を認めない。
検査所見:尿所見:蛋白(-),糖(-)。血液所見:赤血球463万,Hb 13.2g/dL,Ht 40%,白血球5,800,血小板22万。血液生化学所見:総蛋白8.8g/dL,AST 24U/L,ALT 14U/L,LD 183U/L(基準120~245),尿素窒素17mg/dL,クレアチニン0.8mg/dL,尿酸7.2mg/dL,血糖101mg/dL,Na 136mEq/L,K 4.2mEq/L,Cl 100mEq/L。CRP 1.2mg/dL。
 入院後,以下の検査結果が得られた。
 入院後検査所見:TSH 1.76 μU/mL(基準0.2~4.0),FT3 3.6pg/mL(基準2.3~4.3),FT4 1.4ng/dL(基準0.8~2.2),アルドステロン6ng/dL(基準5~10),血漿レニン活性2.0ng/mL/時間(基準1.2~2.5),アドレナリン120pg/mL(基準100以下),ノルアドレナリン1,200pg/mL(基準100~450)。尿中VMA 18mg/日(基準1.3~5.1)。腹部超音波検査で左側腹部に径2cmの腫瘤像を認める。
 経静脈的降圧薬で降圧がみられたのち,最初に投与すべき経口降圧薬はどれか。

正解
a
国試正答率
95%

Assessment
⑩TSH 1.76μU/mL,FT3

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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