問題番号 : 116B35

88歳の男性。長年の喫煙に起因する慢性閉塞性肺疾患と弁膜症による重症の呼吸不全および心不全のため入院した。疾患自体の改善は難しく,呼吸の苦しさや体幹のだるさなどの苦痛の訴えが強く,本人は緩和ケアを望んでいる。妻と二人暮らしで長男が近所に住んでおり家族関係は良好である。
 この患者に緩和ケアを行うにあたり,対応として誤っているのはどれか。

正解
d
国試正答率
99%

Assessment
①88歳の男性
②長年の喫煙に起因する慢性閉塞性肺疾患と

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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