問題番号 : 116A70

68歳の男性。鼻出血と咳嗽を主訴に来院した。2か月前から鼻閉と難聴を自覚した。3週間前から鼻出血が間欠的に持続し,咳嗽も出現してきたため受診した。意識は清明。体温37.8℃。脈拍84/分,整。血圧142/78mmHg。呼吸数22/分。SpO2 97%(room air)。両側の鼓膜に発赤と腫脹を認める。心音と呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない。下肢に浮腫を認めない。表在リンパ節を触知しない。尿所見:蛋白2+,潜血2+,沈渣に赤血球20~29/HPF,顆粒円柱と赤血球円柱を認める。血液所見:赤血球322万,Hb 9.9g/dL,Ht 28%,白血球12,300(好中球72%,好酸球3%,好塩基球1%,単球5%,リンパ球19%),血小板38万。血液生化学所見:総蛋白6.8g/dL,アルブミン3.3g/dL,IgG 1,200mg/dL(基準960~1,960),尿素窒素44mg/dL,クレアチニン2.2mg/dL。免疫血清学所見:CRP 8.2mg/dL,CH50 62U/mL(基準30~40)。胸部エックス線写真で両肺野に多発結節影を認める。
 この患者の寛解導入療法で副腎皮質ステロイドと併用する薬剤として適切なのはどれか。2つ選べ

正解
b, e
国試正答率
39%

Assessment
Step1 68歳の男性 咳嗽と鼻出血

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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