問題番号 : 115D71

 76歳の女性。発熱と心窩部痛を主訴に来院した。半年前に膜性腎症によるネフローゼ症候群を発症し,深部静脈血栓症を伴っていたため,副腎皮質ステロイド薬と抗凝固薬(ワルファリン)の内服を継続していた。昨日から38℃台の発熱と心窩部痛が出現し,食欲も低下したため受診した。意識は清明。身長154cm,体重42kg。体温38.1℃。脈拍96/分,整。血圧112/66mmHg。呼吸数22/分。SpO2 97%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦で心窩部から右季肋部にかけて圧痛を認める。血液所見:赤血球369万,Hb 11.1g/dL,Ht 36%,白血球11,200,血小板26万,PT-INR 1.8(基準0.9~1.1)。血液生化学所見:総ビリルビン2.4mg/dL,直接ビリルビン1.8mg/dL,AST 96U/L,ALT 121U/L,LD 298U/L(基準120~245),ALP 352 U/L(基準115~359),γ-GT 132U/L(基準8~50),尿素窒素38mg/dL,クレアチニン1.8mg/dL,Na 138mEq/L,K 4.6mEq/L,Cl 107mEq/L。CRP 8.8mg/dL。腹部超音波検査で胆嚢の腫大と壁肥厚を認め,入院絶食下で末梢輸液および広域セフェム系抗菌薬の点滴静注が開始された。治療開始後5日目に症状は軽快し,1週後の血液検査でAST,ALT,CRPは低下していたが,PT-INRが4.2と上昇していた。
 この患者でPT-INRの上昇に影響したのはどれか。2つ選べ

正解
b, d
国試正答率
28%

Assessment
①76歳の女性,発熱と心窩部痛で来院。半年前にネフローゼ

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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