問題番号 : 115D57

 63歳の女性。倦怠感を主訴に,夫とともに来院した。夫からみると「以前と比べて,ぼーっとしている」とのことであった。36歳と57歳でうつ病と診断されている。2回とも抗うつ薬を服用し,6か月程度で回復し,1年ほど服薬を続けた。その後は抑うつ感を認めていない。うつ病の時期を除いて仕事は順調で,職場では事務能力を高く評価されていた。仕事は順調であったが,3か月前,自分に合わない上司にかわったことを嘆いていた。2か月前から「体がだるい。疲れやすい。頭痛がする」と訴えたため,自宅近くの診療所を受診し,抗不安薬と睡眠薬を処方された。薬物を増量しながら仕事を続けていたが,1か月前から仕事のはかどりが著しく悪くなり,周囲からみてもぼーっとしている時間が長くなった。3週前から仕事に行っても仕事にならないため自宅で休養しているという。本日受診時,ぼーっとした表情であり,少し暗い感じであった。改訂長谷川式簡易知能評価スケールは9点(30点満点)で,回答には非常に時間がかかった。
 この時点で最も可能性の低い疾患はどれか。

正解
d
国試正答率
34%

Assessment
①63歳の女性 ⇒ 高齢者とまではいえない年齢
②夫から

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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