問題番号 : 115D46

48歳の女性。息切れを主訴に来院した。半年前から長い距離を歩くと息切れを自覚するようになり,症状は徐々に増悪した。最近になり2階まで階段を上るのも息苦しくなってきたため受診した。喫煙歴はない。脈拍88/分,整。血圧134/68mmHg。呼吸数20/分。SpO2 93%(room air)。仰臥位で頸静脈怒張を認める。心音ではⅡ音が亢進している。呼吸音に異常を認めない。両下腿に浮腫を認める。血液所見:赤血球390万,Hb 12.0g/dL,Ht 34%,白血球6,600,血小板9万。血液生化学所見:総蛋白6.2g/dL,アルブミン3.3g/dL,ALT 26U/L,クレアチニン0.6mg/dL。CRP 0.1mg/dL。胸部エックス線写真(A)及び心電図(B)を示す。
 この患者の息切れの原因として,最も考えられるのはどれか。

正解
a
国試正答率
94%

Assessment
Step1 48歳の女性 息切れ

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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