問題番号 : 115C65

本問は,115C63~65の連問の一部です。

 82歳の女性。発熱と意識障害のため救急車で搬入された。
現病歴:3日前から発熱し,食事もむせるようになった。本日朝から呼びかけへの反応が乏しくなった。
既往歴:72歳時からAlzheimer型認知症に対してドネペジルを内服中である。
生活歴:ADLは車いす移動。2年前からサービス付き高齢者向け住宅に入居している。
家族歴:特記すべきことはない。
現 症:呼びかけにより開眼し「苦しい」と発語はあるが問いかけには答えられない。痛み刺激に対して手で払いのける。体温38.2℃。心拍数40/分,整。血圧140/90mmHg。呼吸数24/分。SpO2 92%(リザーバー付マスク10 L/分 酸素投与下)。瞳孔は高度に縮瞳し,対光反射は消失している。鼻汁,流涎および発汗がみられる。運動麻痺を認めない。腱反射の異常を認めない。両側肺底部にcoarse cracklesを聴取する。腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない。下腿に浮腫を認めない。下肢に筋力低下を認める。
 対応で正しいのはどれか。2つ選べ

正解
c, d
国試正答率
86%

Assessment
①82歳の女性,72歳時からAlzheimer型認知症に

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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