本問は,115B47~48の連問の一部です。
37歳の女性。全身倦怠感と頭痛を主訴に来院した。
現病歴:半年前から倦怠感を自覚していた。3か月前から頭痛も出現するようになった。1か月前からは起きた時にも強い全身倦怠感があるため,仕事を休むようになった。頭痛の程度は軽いが,2か月前に脇から出てくる自転車に気付かずに接触し,転倒したことがあった。
現病歴:頭痛は眼の奥が重く痛むようなものである。3か月前から無月経になっている。食欲も落ちており,体重は半年で3kg低下している。癌なのではないかと心配している。睡眠障害はない。3か月前から便秘が悪化している。
既往歴:特記すべきことはない。
生活歴:会社員。夫と子どもと3人暮らし。喫煙歴と飲酒歴はない。
家族歴:特記すべきことはない。
現 症:意識は清明。身長153cm,体重48.2kg。脈拍72/分,整。血圧98/56mmHg。呼吸数16/分。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。甲状腺腫を認めない。胸部では乳頭の圧迫で白色乳汁分泌を認める。腹部に異常を認めない。両耳側半盲を認める。
検査所見:血液所見:赤血球357万,Hb 11.1g/dL,Ht 34%,白血球4,200,血小板18万。血液生化学所見:AST 21U/L,ALT 14U/L,LD 146U/L(基準120~245),尿素窒素15mg/dL,クレアチニン0.7mg/dL,血糖78mg/dL,Na 131mEq/L,K 4.4mEq/L,Cl 97mEq/L。内分泌検査所見:ACTH 9pg/mL(基準60以下),コルチゾール1.9μg/dL(基準5.2~12.6),TSH 0.76 μ U/mL(基準0.500~5.00),FT3 2.27pg/mL(基準2.30~4.30),FT4 0.51 ng/dL(基準0.90~1.70),LH 0.3mIU/mL(基準1.8~7.6),FSH 4.4mIU/mL(基準5.2~14.4),エストラジオール<10pg/mL(基準11~230),プロゲステロン0.2ng/mL(基準0.5以下),プロラクチン198ng/mL(基準15以下)。頭部造影MRIで下垂体腺腫を認める。
治療で誤っているのはどれか。