問題番号 : 115B42

本問は,115B41~42の連問の一部です。

 59歳の男性。1時間持続する前胸部痛のために救急車で搬入された。
現病歴:1か月前から階段昇降時に前胸部絞扼感を自覚していたが,安静にすると5分間ほどで消失した。本日早朝に前胸部絞扼感で覚醒した。しばらく我慢していたが次第に増強し,自力で歩けなくなったため救急搬送された。
既往歴:5年前から高血圧症で降圧薬を服用している。
生活歴:自営業。喫煙は20本/日を39年間。飲酒はビールを500mL/日。
現 症:意識は清明。身長168cm,体重82kg。体温36.6℃。心拍数104/分,整。血圧160/94mmHg。呼吸数24/分。SpO2 96%(room air)。冷汗を伴い,四肢は冷たい。心雑音はないが,奔馬調律を聴取する。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦で,肝・脾を触知しない。下肢に浮腫を認めない。
検査所見:心電図では明らかなST-T変化を認めない。
 急性心筋梗塞を疑い,心筋トロポニンTを測定することとした。発症からの時間経過から感度は60%,特異度は90%であるとする。この患者の検査前確率を80%と考えたが,結果は陰性であった。
 検査の結果は陰性であったが,担当医は病歴や症状から急性冠症候群である可能性が否定できないと判断し,患者にここまでの状況を説明することとした。
 担当医が患者にかける言葉の中で,説明内容に対する患者の理解を確認しているものはどれか。

正解
b
国試正答率
99%

Assessment
①59歳の男性 ⇒ 中高年男性で,生活習慣病の好発年齢

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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