問題番号 : 115A74

85歳の女性。3週前から全身倦怠感の訴えがあった。トイレの中で倒れて肩で息をしているところを家族に発見され救急搬送された。意識は混濁。体温35.1℃。心拍数44/分。血圧80/40mmHg。呼吸数12/分。SpO2 78%(マスク5L/分酸素投与下)。顔面は浮腫状で眉毛は薄く,皮膚は乾燥している。前頸部の腫大と下腿浮腫を認めた。胸部エックス線写真を下に示す。血液検査では,TSH 160.5 μU/mL(基準0.2~4.0),FT4 0.04 ng/dL(基準0.8~2.2)。
 この患者で高値を認めるのはどれか。2つ選べ

正解
a, e
国試正答率
91%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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