問題番号 : 115A46

54歳の女性。咳嗽と喀痰を主訴に来院した。喀痰は白色であり,発熱はなかった。自宅近くの診療所を受診し,胸部エックス線写真で異常陰影を指摘され,細菌性肺炎として抗菌薬の投与を受けたが陰影は増強したため紹介され受診した。3か月前にも胸部エックス線写真で異常陰影を指摘されたが,症状が軽かったため経過観察したところ自然軽快したエピソードがあった。気管支鏡検査を施行し,気管支肺胞洗浄液中の好酸球は37%で,経気管支肺生検では好酸球浸潤を伴った肺胞隔壁の線維化病変を認めた。
 この疾患について正しいのはどれか。

正解
c
国試正答率
85%

Assessment
①54歳の女性,咳嗽と喀痰が主訴 ⇒ 気道の炎症を疑う。

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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